福谷充輝のホームページ

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論文が採択されました (Preactivation affects the effect of stretch-shortening cycle by modulating the fascicle behavior)

Biology Openに投稿していた論文が採択されました。

Preactivation affects the effect of stretch-shortening cycle by modulating the fascicle behavior

Atsuki Fukutani, Kento Shimoho, Tadao Isaka

この研究では、ヒト生体の下腿三頭筋を対象に、伸張性収縮後に短縮性収縮を行うstretch-shortening cycleという動作を行い、このstretch-shortening cycleによる筋力増強効果を、(1) 伸張性収縮の前に等尺性収縮を行う条件 (preactivation有り) と、(2) リラックスした状態から伸張性収縮を行う条件 (preactivation無し) で比較しました。その結果、条件 (1) において筋力増強効果が大きいことが分かりました。これは、preactivationによって筋線維が短縮することによって、伸張性収縮時の “筋線維の伸び” が大きくなり、この筋線維の大きな伸びが大きな反動効果を得るために重要だということを示唆しています。現在、筋細胞を摘出した実験や筋収縮を電気刺激で制御したような実験では、ほとんどの研究が (1) preactivation有りで行われています。一方で、私達の身体運動は (2) preactivation無しの状態が非常に多いです。すなわち、一見、正確にみえるような基礎研究の結果は、実際の身体運動とは異なる条件下で観察されたものである可能性があり、身体運動パフォーマンス向上を見据えた研究をするためには、より実際の身体運動に近い条件で研究をする必要があることを示唆しており、スポーツ科学においての重要な考え方を示せたのではないかと考えています。

写真

Atsuki Fukutani Ph.D.
(Sport Sciences)

Faculty of Sport and Health Science, Ritsumeikan University, Assistant professor

1-1-1 Noji-higashi, Kusatsu, Shiga, 525-8577, Japan

info@skeletalmuscle.net

Copyright © Atsuki Fukutani
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