福谷充輝のホームページ

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イギリス、King’s College Londonでの在外研究が始まりました

8月1日から、イギリスのKing’s College Londonでの在外研究が始まりました。

これは、日本学術振興会の国際共同研究強化(A)という援助を受けたもので、
海外の大学で、最短半年から最長1年半の間、在外研究を行う費用をサポートするという制度です。
この制度を利用し、8月から3月の8ヶ月間、
イギリスのKing’s College Londonで研究を行うことになりました。

研究の内容は、単離した単一の筋細胞を用いて、
ミオシンのヘッド (クロスブリッジ) の根本の部分を蛍光染色することで、
力発揮中のクロスブリッジの構造変化を計測するというものです。
方法が難解で、正直、今は理解できていないので、まずはこの方法をしっかり学んで、
自身の主要研究テーマであるstretch-shortening cycleに関する実験を行う予定です。

私が所属しているRandall Centre for Cell & Molecular Biophysicsという部署は、
その設立にJean Hansonが関わっていて、
Jean Hansonは、
1954年に、筋収縮研究の金字塔である
ミオシンフィラメントに対してアクチンフィラメントが滑り込むことをNature誌に発表した人、
すなわち、筋収縮の根源である【滑り説】を提唱した人です。

Huxley H, Hanson J.
Changes in the cross-striations of muscle during contraction and stretch and their structural interpretation.
Nature. 173(4412):973-6. doi: 10.1038/173973a0. 1954.

そういうこともあってか、筋収縮研究には力を入れており、
私のラボがある3階の入り口では、
アクチンフィラメントの模型 (左) とサルコメアの模型 (右) が毎日出迎えてくれます。
(ちなみにサルコメアの模型の【PUSH】を押すと、サルコメアが力強く収縮します)

“筋肉中毒” の私としては、こんな環境で気合が入らないわけがないので、
この在外研究で出来る限りのことをやって日本に帰りたいと思います。

アクチンフィラメント

 

写真

Atsuki Fukutani Ph.D.
(Sport Sciences)

Faculty of Sport and Health Science, Ritsumeikan University, Assistant professor

1-1-1 Noji-higashi, Kusatsu, Shiga, 525-8577, Japan

info@skeletalmuscle.net

Copyright © Atsuki Fukutani
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