論文からの効率的な情報収集方法
今回は、私がどうやって論文から情報収集をしているかを紹介したいと思います。
現時点ではこれが自分なりのベストかとは思っていますが、
常により良い方法を探しているので、
もっと効率の良い方法やアプリを知っている方がいましたら、
是非、メールで教えていただければと思います。
研究者は、論文を書くことが一番の仕事であり、
論文を書くためには、これまでの関連論文を把握しておく必要がありますので、
多くの論文を読む必要があります。
また、今では研究者ではない方でも、論文をかなり読み込んでいるような方もいます。
ただし、出版される論文の数は莫大であり、
仮に “スポーツ科学”、その中の “バイオメカニクスに関するもの” だけに絞っても、
到底、全てを読み切ることは出来ません。
そこで、いかに効率よく、自分が必要とする情報、知識をなるべく多く収集するかというのは、
私だけでなく、多くの人が考えていることです。
また、一度読んで内容を全て覚えることが出来れば理想的ですが、
これも現実的には不可能だと思いますので、
次善策として、出来る限り内容を覚える努力をしつつも、
あとからその情報がすぐに探せるようにしておくことが重要だと思っています。
そういう意味では、
Endnoteといった文献管理ソフトを使うことは必須だと思います。
このようなソフトを使えば、論文のタイトルや著者で検索したり、
論文の内容・種類を表すタグを付けてグループ分けすることも出来ます。
ちなみに私は、修士課程の時は文献管理ソフトを持っていなかったので、
論文を印刷して読み、その論文をテーマごとにファイルに入れて管理していました。
紙には紙の利点があったのですが、量が膨大になってきてしまい、
オフィスデスクの棚には収納できなくなって扱いに困り、
文献管理ソフトを導入し、印刷せずにPDFで論文を読み、
データで保管するようになりました。
文献管理ソフトの導入が遅れた理由としては、
文献管理ソフトの値段が高いということもあります。
ただし、今ではMendeleyといった無料で使える文献管理ソフトもあるようなので、
学部生や大学院生はもちろん、トレーナーなどで論文を読む人も
すぐに文献管理ソフト導入をオススメします。
文献管理ソフトは、自分が使いやすいと思うものであれば何でも良いと思いますが、
あえていうと、複数のPCでデータを同期出来るものが良いと思います。
というのは、例えば職場で論文PDFを読んで(PDFにメモ書きなども入れて)、
職場のパソコンに保存するだけでなく、場合によっては自宅や出張先など、
別のPCで論文PDFを読みたいときもあると思います。
その場合、複数のPCにインストールした文献管理ソフト間でデータが同期できなければ、
「あれ、最近論文PDFに重要な点を書き込みしたはずなのに、
論文PDFに何も書かれていない!?」
ということが起こる可能性があり、
こういう小さい問題でも積み重なってくると、
論文を読む気力が失われてしまいますので・・・。
あとは、論文の読み方に関し、
基本的にはほとんど英語論文を読むことになると思います。
これは、論文を書く研究者の視点で考えると、
論文の内容が全く同じだとしても、
日本語で書くと日本人しか読めず、英語で書くと世界中の人が読めるため、
英語で論文を書いたほうが必然的に論文の価値は高くなり、
良い論文、最先端の論文は英語で書かれることがほとんどだからです。
英語論文を読むためには、難しい英単語との戦いになるので、
英語力を高めることが最優先とは分かりつつも、
常に辞書を引きながら英語論文を読み進めていくことになると思います。
この作業がかなり骨が折れるので、何かいい方法はないかといつも考えています。
そこで、現在私が落ち着いているのは、英辞郎というオンライン辞書を使う方法です。
英語論文には専門的な単語がたくさん出てくるので、
高校の授業で使うような英和辞典では対応しきれないと思います。
一方で英辞郎は、収録単語数が異常に多く、今もどんどん増え続けているので、
英語論文の専門用語でもかなり戦えます。
(もし英辞郎に掲載されてい単語に出会った時は、
「これは知る必要のない単語だ!」と考え、潔く無視しています・・・)
このオンライン辞書を使う時、論文を印刷して紙で読んでいたときには、
分からない英単語のスペルを見ながらオンライン辞書に手入力していたのですが、
PDFで読む時にはコピペ出来るので、
これもPDFで文献を管理するメリットだと思います。
ただ、この方法もなれてくると、
①論文PDFの知らない単語を選択して、
②コピーし、
③英辞郎の検索ウィンドウに貼り付けて
④検索ボタンを押す
という作業も煩わしくなってきて、
なんとかこのプロセスを簡略化出来ないかと考えていた時、
英辞郎をPCにインストールしアプリを起動させておくと、
論文内の英単語を選択してコピーするだけで、
日本語の意味がポップアップウィンドウで出てくるという機能を見つけ、
即座に飛びつきました。
(他にも、単語の上にカーソルをもっていくだけでも意味が出てくる機能もあるのですが、
私はコピーしたときのみ反応する設定のほうが使いやすいので、こっちを使っています)
上記の④プロセスの2つを省略するだけなのですが、
(しかも省略できる2つの動作は、貼り付けして、検索ボタンを押すだけというもの)
これが何回も繰り返されるとなると、
大きな違いになると感じています。
また、コピーをするためには[ctrl+C]をキーボードで入力する必要がありますが、
この動作も煩わしく、なんとか簡易化出来ないかと考え、
キーボード入力がプログラミング出来るマウスを買って、
マウスのあるボタンを押すだけで[ctrl+C]を入力したときと同じ動作が出来るようにしておき、
マウスのクリックひとつで英単語の意味が表示できるようにしています。
これなら、片手だけで、英単語の意味を調べながら論文を読み進めていくことが出来ます。
今回紹介したのが、
私の論文の管理、論文の読み方になります。
参考にできるところは参考にしていただき、
「もっとうまい方法があるよ!」という方は、是非、メール等で教えて頂ければと思います。
ちなみに今の個人的な課題としては、
タブレットでも上手く論文を読める環境を構築することです。