福谷充輝のホームページ

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本からの情報収集

前回は、論文に関して、私の情報収集、整理方法を紹介しましたので、
今回は本について紹介したいと思います。

まず最初に、論文と本、どちらを読むべきかについて、私の考えを紹介したいと思います。
私は、トレーナー等になるためにスポーツ科学を学びたい大学生はもちろん、
将来は研究者になろうと思っている大学院生にも、
論文ではなく本 (アマゾンで変えるようなテキストブック) を勧めています。
これはなぜかと言うと、論文は本よりも情報の質や価値は高いかもしれませんが、
論文を一本読んで得られる知識とテキストブックを一冊読んで得られる知識の量があまりに違うため、
時間効率を考えると、まずはテキストブックを読んで、
その分野の知識を一通り身につけることが先決だと考えているからです。

私も、自分の興味ある分野で新しい本が出ないかは常にチェックしていて、
自分が登録しているキーワードに関連する本が出版されたらアラートが届くようにしています。

これらの本は片っ端から購入して読みたいところではあるのですが、
以前と比べると読書に使える時間が減ってしまっているため、
厳選して本を購入するようになっています。

この選別の基準としては、まずは著者を確認するようにしています。
本と論文の大きな違いは、論文は著者が書いた内容を、
第3者である、関連分野の専門家が内容を吟味、審査した上で出版されている一方で、
本は必ずしも専門家の吟味がされていないということであり、
必然的にクオリティーの差が大きくなる傾向があります。
正直な所、よく読むと、ひどい間違いを連発している本や、誤植の嵐といった本も存在しており、
これは皆さんも感じていることだと思います。
こういう本が厄介なところは、
このような間違いはそれ相応の専門家がそれなりの時間をかけて読むと見つけられるのですが、
その分野に精通しておらず、まずはその分野の基礎知識を全体的につけようと思っている人が読むと、
そのような間違いを見つけるのは難しく、それが正解だと思いこんで読み進めざるを得ないということです。

なので、このような事態を避けるために、まずは信頼出来る人が書いている本、
もしくは信頼できる人が勧めている本を読むのが良いと思います。
私はこれをかなり重要視しています。

加えて、その本の誤植一覧表が公開されているかどうかも一つの基準だと思います。
誤植は無いに越したことはないですが、
100ページを超えるような本で誤植をゼロにするのは非常に難しいということも分かっているので、
誤植があるということは前提に、
誤植が見つかった時の対応が出来ているかどうかが重要だと考えています。
ちなみに私が授業で参考にしている本は、誤植一覧表が出ていないか
必ずチェックするようにしています。

このような確認をしたうえで、
あとは自分が必要としている内容かどうかを出来る範囲でチェックして
本を買うようにしています。

私はバイオメカニクスだけでなく、機能解剖学や運動生理学、栄養学なども興味があるので、
たくさんの本を読みたいという気持ちはあるのですが、
論文と同様、全ての本を読むというのは時間的に不可能ですので、
必然的に選別する必要があると考えています。
私のような、デスクに座っている時間が長く、仕事の一環で本や論文を読まざるをえない人ですら
このような状態であり、トレーナーや理学療法士といった、現場での指導がメインの方は
より一層、読書にさける時間は限られていると思いますので、
限られた時間の中で最大限の効果が得られるような方法を模索してもらえればと思っています。

 

 

 

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Atsuki Fukutani Ph.D.
(Sport Sciences)

Faculty of Sport and Health Science, Ritsumeikan University, Assistant professor

1-1-1 Noji-higashi, Kusatsu, Shiga, 525-8577, Japan

info@skeletalmuscle.net

Copyright © Atsuki Fukutani
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